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社会貢献活動ブログ

【探究プログラム】ステークホルダーダイアログを実施

2021年3月31日

リコー・サイエンスキャラバン」は、子どもたちに科学を好きになってもらう機会を提供することを狙いとして、全国の科学館などを訪問し、リコーグループのリソースを活用した科学実験プログラムを行っています。2020年度からは、文部科学省が推進する教育改革の柱であるアクティブラーニング(探究型学習含む)型プログラムの開発に取り組んでおり、今年度は2校にてプログラムを実施させて頂きました(詳細はこちら)。
今回のステークホルダーダイアログでは、3名の有識者をお迎えし、企業が社会貢献として推進する「探究プログラム」の意義と今後のあるべき方向性に向けてご意見を伺いました。



ご参加いただいた有識者

文部科学省 水島淳様

神奈川県海老名市立海老名中学校 深谷新先生

ディスカバ! 今村亮様


ディスカッション内容

①    探究型学習の向かう方向性と課題への対応について

Q(リコー):それぞれのお立場から、日本の教育はどう変化する必要があると感じていて、どのようなことを実施してきているのか、探究的な学びという側面から伺いたい。

 

(水島氏):急激に変化する時代の中で、子どもたちが大きくなった時、今想像もできない未来になっている可能性が大いにある。そのため課題発見・課題設定・課題解決の能力を身に付ける必要がある。また、個人、民間企業、地域、NPO、行政などが協働して役割分担しながら解決していくことが必要だと思っている。

探究型学習に関しては、小中高で総合的・一貫的に行っていこうとしており、課題の設定・情報収集・整理分析のステップを回していくことが必要だと言われている。そのためにも来年度から実施されるGIGAスクール構想(児童生徒向けの一人一台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備すること)」を活用してほしいと思っている。

 

(深谷氏):2018年ぐらいから探究授業に取り組んできた。市民教育として、小さいときから地域の人たちと連携して社会を作ることを根付かせることが必要だと思っている。リコーとの連携は、海老名に拠点があるリコーにSDGsの探究学習を一緒にできないかと連絡したのがきっかけ。教育は今、社会で起きていることをテーマにしたいという想いがあるので、今年度は、リコーにウィルスをテーマにした探究学習を依頼した。

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深谷氏(手前)


(今村氏):現在は桜美林大学と、中高生向けに探究型プログラムを実施している。これからの教育は、"正解を与えられる学び"から"学ぶ目的を見つける探究"に変わっていく。それに立ち向かう主体性や市民性は、先生や親ではなく、ナナメの関係の先輩と関わることで養われていく。そうした効果を期待して、ディスカバは高校・大学・企業が連携したプログラムを実施している。


②   オンラインでの探究型学習の課題~キャラバン実施時の課題から~

Q(リコー):オンライン授業をする上での工夫やポイントは?

(深谷氏):今年度実施したリコーとのプログラムは、初めてのリモート授業だったので子どもたちはワクワクしていた。最後の発表の時も、リモートでリコー社員からフィードバックを受けたことが、子どもたちの達成感にもつながり、とても有効だと思った。企業側に学校に来てもらうのは負担になるのでオンラインは最適だと思う。また、オンラインにより、今後クラウド上でメッセージ交換をしたり、作品を送ったりと双方向のやりとりもできるので、可能性が広がったと思う。

Q(リコー):今村さんはオンラインのプログラムをやってこられているが、どのような工夫をしている?

(今村氏):ディスカバのプログラムでは、オンラインプログラムの時間は生徒へのフィードバックやディスカッションなど双方向なコミュニケーションにあてている。一方向的なレクチャーは動画にして送付するほうがいい。

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今村氏(手前)


(リコー):今サイエンスキャラバンでも、レクチャー動画を作っている。

(今村氏):子どもたちがレクチャーを事前に家で見られると、授業では教室でしかできないことにフォーカスできるのではないか。

(深谷氏):みんなで一緒に動画を見ると、感想をみんなで言い合えるが、家でみるとそれができないため、感想を伝え合う方法が課題ではある。今回のサイエンスキャラバンの授業中、メモを取る子が多かったので、後から動画で見たい子は多いと思う。

Q(リコー):コロナ収束後、オンラインでの授業はどのようになっていくと考えるか?

(水島氏):現場の先生と目の前にいる子どもが視線や表情など五感を通じて、その場ですぐに理解度や感情を受け取り合いながら授業をすることが重要だと思っており、それはPC画面を通じてだと難しい。よって学校に集まって授業をする方がよいと思っている。一方、デジタル教材や動画教材やAIドリルの使用、ネット検索、クラウド上で共同編集などのオンライン上のツールを使うことは、どんどん進めていって欲しいと思っている。

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水島氏(手前)


③今後のサイエンスキャラバンの広がりについて

Q(リコー):今後サイエンスキャラバンでは、新しいプログラムも行ない、探究授業を広げて考えている。リコーに要望やアドバイスがあれば伺いたい。

(深谷氏):来年度は海老名市のSDGSアクションブックを作ろうと思っており、複数の企業にパートナーとしてお声がけをする予定。また、理科の授業では今後もこちらでテーマ設定は行い、企業を巻き込みながらやっていきたい。あらかじめ、サポート企業の強みを子どもたちに伝えて、子どもが企業を選び、ディスカッションに参加してもらう形を検討している。レクチャーは本物に触れ、最先端の技術を作っている人に触れる機会になるので、レクチャーも入れたいと思っている。(キャラバンの活動を広げるには)もう少し色々な先生が実施できるよう、技術や指導ポイント、SDGsも紐づけた指導案をつくり、「リコーが伴走します」と提示してもらえると、先生が関わりやすいのではないか。

(今村氏):(実施校を広げるには)学校とプル型の接点をいかにつくるかがポイントだと思う。深谷先生のような先生方に導入したいと思って頂けるようなプログラムとアプローチが必要。

(水島氏):子どもと社会をつなぐ目的で、学校が民間企業やNPOなどの外部プログラムとマッチングできる、ポータルサイト的なものがあれば良いと思っている。また、競争率は高いかもしれないが教育委員会へのアプローチや、企業が持っている「アイデアを形にする力」などSTEAM教育に繋がるようなプログラムを提供できれば、学校教育が充実したものになる。

 


最後に一言

(今村氏):グローバルでみると、教育的な社会貢献のアプローチをしている企業は多いが、国内はそうではないと思っていたので、リコーの活動に勇気をもらった。

(深谷氏):現場では、はじめに子どもありきと思っている。やらせようと思った瞬間に、探究ではなくなる。先生だけでなく、地域の人達、企業が入ってくると広がる。子どもたちの発想が、企業のWinになることを目指して、場づくりを一緒にしていきたい。

(水島氏):理科離れには、同じような問題意識を持っている。教育学部の入試は文系科目中心のため、理数系が苦手な先生が多くなりがち。そうした弱み(時間、コストがないところも含めて)部分に民間企業が入ってきていただけると、ありがたい。

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ダイアログ参加者

後列左から:リコー サステナビリティ事業本部 グループリーダー 阿部裕行

リコー サステナビリティ推進本部 本部長 鈴木美佳子

リコー サステナビリティ推進本部 室長 阿部哲嗣

前列左から:リコー サステナビリティ事業本部 前田俊

神奈川県海老名市立海老名中学校 深谷新先生

文部科学省 水島淳様

ディスカバ! 今村亮様

リコー サステナビリティ事業本部 木村康

 

 

今回のダイアログで、有識者の皆様からいただいたアドバイスを踏まえ、来年度の活動に活かしていきます。