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社会のためのデジタル技術の活用法

冬夏青々 第14回

2019年10月21日

最先端技術

常任参与
稲葉 延雄

 デジタル時代を本格的に迎え、人工知能(AI)やロボット、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ解析といった最先端技術を普通に利用できるようになった。その活用法を考えると、これまでの企業活動の中心はAIなどのデジタル技術でもって人間(労働力)を置き換え、省力化効果で収益を上げながら、既存産業を駆逐するという戦略が目立っていた。例えば米ウーバー・テクノロジーズは既存のタクシー業界を、米アマゾン・ドット・コムは既存の小売業界を侵食してきた。

 しかし、こうしたビジネスモデルでは新規産業と既存産業が置き換わるだけである。経済全体が大きくなるとか、労働者の雇用や賃金が目に見えて増えるというわけでもない。かえって所得格差が拡大したり不公平感も広がったりして、社会がより豊かになったという実感が乏しい展開であった。

 一方、ハイテク新興企業もGAFAと呼ばれる巨大IT企業を除くと、その多くがなかなか赤字から脱出できない。こうした現象は当コラムでも既に指摘してきたが、ますますはっきりしてきたのは、この種のデジタルビジネスは決して儲かっていないこと。さらに、世の中からはとりたてて積極的な支持を得られていないということである。GAFAも市場シェアを独占して高収益を上げているが、その巨大さゆえに競争制限的な存在になっているとみなされ、各国政府からさまざまな規制が提案される有り様である。

 こうした中で注目され始めたのが、もう一つの活用法である。それは、デジタル技術で人間を置き換えるのではなく、逆に人間の能力を高めようという活用法である。

 つまり、デジタル技術で人々の能力を高めながら、人々がこれまで抱えてきた悩みを解決するものであり、そのための新しい財・サービスを提案していこうという試みである。そういう財・サービスであれば、悩みの解消の程度に応じて人々は喜んで対価を支払うだろう。そうしたビジネスを展開する企業は世の中から支持され、その企業価値も増加するに違いない。

 リコーグループでいえば例えば、①光学機器とAIを組み合わせて死亡事故ゼロを実現する自動運転技術の開発②広域監視と機械化技術を活用した、自然災害に強いデジタル農業の構築③3Dプリンターによる建材生産などを通じ、革新的に安価な住宅の供給④健康寿命延伸をもたらす高度医療による、医療費削減の提案―などである。デジタル技術を総動員しながら、われわれが磨き上げてきたプリンターや光学などの既存技術と融合させる。こうした社会課題の解決に向け、提案していく取り組みを加速しなければならない。

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※この記事は、2019年9月30日発行のHeadLineに掲載されました。

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