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新型ウイルスが浮き彫りにした「DXvs経済安全保障」

=日本危機管理学会が「AI・DX・セキュリティー研究部会」を開催=

2020年11月18日

新型ウイルス

研究員
米村 大介

 日本危機管理学会は2020年11月7日、「アフターコロナのDXと経済安全保障」をテーマに、今年度第2回のAI・DX・セキュリティー研究部会を開催した。同部会長を務める原田泉・日本危機管理学会会長(国際社会経済研究所上席研究員)が講演し、新型コロナウイルス感染拡大で普及が加速するデジタルトランスメーション(DX)と経済安全保障の関係を解説。その上で、両者の両立に向けて日本が目指すべき方向性を提言した。

図表(提供)原田泉氏

 原田氏はまず日本でのデジタル化の潮流を解説。新型ウイルス感染拡大はサプライチェーンの混乱や押印による認証、給付金支給に伴う膨大な書類作業、オンライン教育の機材不足など、DX推進上の多くの課題を浮き彫りにしたと指摘した。しかし、時間が経つにつれ、リモートワークやオンライン学習が普及。物流でもICT活用が進むようになり、DXの課題も徐々に改善され始めたという。

ところが、原田氏はDXを展開する上で経済安全保障が深刻な課題となり始めたと指摘する。その一例が個人情報の扱いである。最近では、新型ウイルス感染者との接触確認を行うスマホアプリが世界各国で導入されている。このアプリ設計をめぐっては、個人特定をしない前提の国に対し、積極的に個人特定する国もあり、対応が極端に分かれる。もちろん個人特定を避ければ、個人情報の悪用リスクを排除できる。しかし、政府が主導して感染者を隔離するような施策はとれない。つまりDXを推進する上では、政府は個人情報取り扱いに対するスタンスがどちらなのか、それを明確にする必要があるという。

 また、DXは米中覇権争いの火種にもなる。新冷戦が勃発した今、情報通信技術(ICT)やビッグデータをめぐり、既にデジタルの世界では米国陣営と中国陣営に二分されているとも言われ、原田氏は各国が米中とどう向きあうべきか難題を突き付けられていると強調した。

 さらに原田氏はDXによってサイバーセキュリティーの問題も一層深刻になったと指摘した。軍事行動を起こす前に、電力や通信、金融などのインフラに対しサイバー攻撃を仕掛けるというテロが世界各地で表面化しているからだ。その対処を怠ったままDXを推進した場合、原田氏は「将来、DXがもたらすリターン以上のリスクを取ることにもなりかねない」と警告を発した。

 こうした中、日本政府も先端技術を扱う民間人の信用を測る制度を創設し、企業や大学でのスパイ活動を取り締まる対策の拡充を目指す方針を表明している。しかし、原田氏は「『経済安保リスク管理室』を新設する企業も出てきているが、世界から見るとまだ遅れている」などと懸念を示した。

 さらに原田氏は提言の中で、日本企業は米国の情報ガイドラインを参考にセキュリティーレベルを上げるべきだと強調。そして、安全を他国の企業に任せず、サイバーセキュリティーの「自給率」を引き上げていく重要性を訴えた。

 講演後、会員からは「日本では人権以前に国の安全が守られていない」「情報はデータクラウドに入れておけばよいといった風潮に懸念を感じる」などの意見が相次ぎ、DXと経済安全保障をめぐる関心の高さが示された。

 一般社団法人日本危機管理学会の活動や入会に関心のある方はホームページを御参照ください(https://crmsj.org/)。

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