2021年2月15日
昨年11月にお知らせした「インド農村部アーティスト支援プログラム」のスキルトレーニングが1月から始まりました。
このプログラムは、インドの農村部ビハール州に在住する女性アーティストにスキルトレーニングを実施し、スキル向上及び収入創出につなげることをゴールとしています。
インド北東部に位置するビハール州はインド内で最も貧しい州と言われており、深刻な貧困状態にあります。
昔からの風習により女性は収入を得る機会が限られている中、マドバニ地区では伝統的な美術品であるマドバニ絵画を制作し、土産物として販売をしている女性が多くいるものの、デザインや技術のスキル、販売ルート獲得に必要な知識の不足により、収入が少なく、生計を立てることが難しい状況に陥っています。
日本ではあまり聞き慣れないマドバニ絵画ですが、世界では有名な民族絵画で、マドバニ地域の女性によって制作されています。制作方法はユニークで、ブラシ、指、小枝、マッチ棒など様々なツールを使用し、自然の染料や顔料を使って描くそうです。描かれる内容は、一般的には神話に出てくるキャラクター、宗教、祭りなどの行事、動物、太陽などの自然のモチーフだそうです。
さて、本題のトレーニングですが、絵画を学ぶアートコースと布製品について学ぶテキスタイルコースの2つを実施しています。
現在行われているトレーニングは基礎レベルのクラスで、生徒は約一か月間、月曜から土曜日まで一日3時間、トータル90時間かけて学びます。各コース15~20名ほどの生徒が参加しています。
・アートコース(基礎クラス)での学習内容
-PC基礎
-色の組み合わせ
-デザイン工程
-製品化
-製品デザイン
<講師による講義の様子> | <PCでデザイン画を製作中> |
・テキスタイルコース(基礎クラス)での学習内容
-PC基礎
-材料とプロセス
-製図と型紙製作
-色の構成
<講師を囲んでの授業の様子> | <スケッチ練習中> |
両コースとも最後にテストがあり、テストに合格した生徒は2月中旬から開始予定のアドバンスレベルに進むことができます。
どのような作品が出来上がるのか楽しみです。