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12cmの近距離でも映せるプロジェクター

=カメラ発の光学技術が花巻で花開く=

2017年11月17日

最先端技術

研究員
伊勢 剛

 リコーインダストリアルソリューションズ(RINS)花巻事業所(岩手県花巻市)は1974年の操業開始以来、カメラの生産から始まり、複合機(MFP)の光学系ユニットやプロジェクター投射レンズモジュールの設計・生産へと事業を広げてきた。その事業展開を支えているのが光学設計やレンズの精密成型加工といった光学技術だ。

 その花巻事業所から小型で新しいタイプのプロジェクターが生まれようとしている。近くでもきれいに映すことができる超短焦点のピコプロジェクターだ。ピコプロジェクターは各社から発売されているが、通常プロジェクターから映す距離が1~3mである。これに対し、開発中の超短焦点タイプはわずか12cmの距離で卓上に20インチの映像をきれいに映すことができる。

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超短焦点ピコプロジェクター(高さ12.4×幅7.4×奥行3.1cm)

(写真)筆者

 映す距離が短いと省スペースの場所でも表示できるので、今まで考えられなかったところでも使うことができる。例えば机や壁などに設置すれば、そのまますぐ近くに映し出すことができるのだ。また、家庭やオフィス、店舗などさまざまな場所でサイネージとしても活用することが可能だ。例えば店舗のドア上部に設置して、ドア自体に広告や案内などの映像を投影すれば、大きなインパクトとなり、集客アップも期待できる。

 この超短焦点の技術は、カメラ時代から培ってきた花巻事業所の光学技術に支えられている。つまり、投射レンズ設計技術や重要部品であるミラーやレンズの加工生産技術といった強みの集大成といえる。投射レンズはさまざまな材料(ガラスやプラスチックなど)や形状(凹凸レンズ、球面レンズや非球面レンズなど)の組み合わせでできている。今ではレンズの自動設計も可能にはなっているものの、高精細のレンズに限ってはこれまでの経験やノウハウを生かした設計が必要不可欠となる。

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投射レンズの構成例

(提供)RINS花巻事業所

 花巻事業所最大の特徴は、設計技術や加工生産技術をベースとしていることに加えて、設計から生産まで一括開発が行われていることだ。設計部門と生産部門のコミュニケーションがスムーズで、何か不具合があってもスピーディーな対応ができる。また、設計部門は生産部門の現場をよく知っているので、レンズやメカ加工の限界値を知っている。あらかじめ知っていれば、不具合が起きそうな設計を避けたり、最適なコストとなるような設計も可能である。花巻事業所でも安価なレンズなどは海外工場への委託生産が増えているそうだ。しかし、物理的に離れているとやはりコミュニケーションの苦労は多く、手戻り時間がかかるという。

 一括開発を進めているメンバーは設計・生産だけでなく、マーケティングも自ら手掛けている。試作モジュールを持って、有望なお客さま先やパートナー先へと訪問しているのだ。「近くでも映せる」といった特長を生かす用途や市場を見いだすことが商品化・事業化への鍵となっているからだ。開発リーダーの根本貴章さんは「まずは早く商品化につなげていきたい。さらには、もっと小型でもっと明るいピコプロジェクターを開発して、今までにない新しい市場を開拓していきたい」と語る。光学技術を生かした東北・花巻からの明るいニュースに期待が高まる。

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超短焦点ピコプロジェクター開発メンバー(左端:根本開発リーダー)

(写真)筆者

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