Skip to main content Skip to first level navigation

RICOH imagine. change.

日本 - リコーグループ企業・IRサイト Change
Skip to main content First level navigation Menu
Breadcrumbs

Share

Main content

東京から真東に進んでいくと...

= リオ五輪を見ながら、地球儀を回してみよう! =  

2016年07月01日

社会・生活

HeadLine 編集部
竹内 典子

 2016年8月5日、南米大陸で初のオリンピック・パラリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開幕する。実は、東京から見て真東の方向にある都市で開かれる、最初の五輪でもある。

  「えっ、リオは南半球にあるから、東というよりも南東でしょ?」とツッコムあなた!是非、地球儀で確認してほしい。地球儀では北極と南極を結ぶフレーム(緯度尺)が、球体を支えている。これを東京に合わせる。フレームと直角に交わる線を、東京から東にずっと延ばしていく。するとハワイの南側を通り、南米大陸のブラジルにぶつかる。

201604_地球儀_1.jpg

  世界地図では日頃、海図に利用されるメルカトル図法を目にする機会が圧倒的に多い。このため、太平洋を挟んで日本の右側にある北米大陸を、「日本の真東」と誤解しがちだ。二次元の地図は持ち運びに便利。その半面、球体の地球を無理矢理平面に置き換えるため、ゆがみが生じて方角や面積が不正確になるという短所もある。球体をそのまま縮小した地球儀こそ、方角や面積を正確に認識できる究極の地図なのだ。

世界最古の現存地球儀「大地のリンゴ」

 紀元前4~5世紀頃、古代ギリシャの哲学者プラトンやアリストテレスは地球が球体であることに気付いていたようだ。残念ながら現物は残っていないが、紀元前2世紀には史上初の地球儀が製作されたという記録もある。

 しかし、地球儀が本格的に人々の生活に関わり始めたのは、大航海時代を迎えてからだ。1522年、ポルトガルの探検家マゼラン率いるスペイン艦隊が、史上初の世界一周航海を成し遂げ、「地球は球体である」ことを実証した。苦難に満ちた3年がかりの航海によって、人類は地球のあらかたの大きさや、太平洋の広さを認識できるようになった。

 現存する最古の地球儀も大航海時代に生まれている。ドイツの地理学者マルティン・ベハイムが製作し、「大地のリンゴ」と名付けた。直径50センチほどの金属製で、ニュルンベルクのドイツ国立博物館に保存されている。コロンブスが新大陸を発見した1492年、ニュルンベルクの市議会がベハイムに製作を依頼したという。だから、南北米大陸は描かれていない。代わりに、アジアやアフリカが実際よりも大きく表現されており、日本らしき島国は「Cipangu」と表記されている。

 冒険家たちの命懸けの航海によって、各大陸や島々の位置が次第に明らかになり、地球儀に反映される情報も正確になっていく。大航海時代が終わり、18世紀までに地理的な謎は概ね解き明かされた。

世界最大の市販品 直径81センチで189万円

 地球儀の「今」が知りたくなり、東京・日本橋人形町にある「地球儀専門店」を取材した。店の名の通り、20年以上地球儀だけを取り扱っている日本で唯一の専門店だ。

  店内に足を踏み入れた途端、目に飛び込んでくるのが、直径81センチの巨大地球儀だ。業界最大手の米リプルーグル社製「ディプロマット」。市販品では世界最大であり、価格は189万円(税込み)。知的かつグローバルな仕事をしている印象を演出するためか、各国の政府要人や大企業の重役からの引き合いが多いという。ホワイトハウスの大統領執務室にも置いてあるそうだ。

201604_地球儀_2.jpg米リプルーグル社製「ディプロマット」

 ほかにも、大小さまざま約150種類の地球儀がずらりと並んでいる。電磁力で宙に浮く、部屋を暗くすると幻想的に光る、真っ赤や真っ黒のカラーリング...。地球儀の常識を覆すような、デザインやインテリア性に優れたものが目立つ。

 機能面で格段に進歩しているのは、学習用の地球儀。専用のタッチペンで触れると、首都や人口、国家元首、現地時間、通貨単位など様々な情報を読み上げてくれる。ゲーム感覚で世界地理の知識が身に付く。インターネット経由で最新情報にアップデートも可能だ。

 セールススタッフの小田五月さんは「タッチペンの地球儀は、お子さんのために購入したのに、意外と大人がはまって遊びたくなります」と話す。また、「電気で光るタイプは、おしゃれで知的な間接照明としても人気があります」と言う。

201604_地球儀_3.jpg間接照明としても人気の地球儀(左奥)

201604_地球儀_4.jpg専用のタッチペンで国を選ぶ(左)  磁力で宙に浮く地球儀(中央)

201604_地球儀_5.jpg「地球儀専門店」の小田五月さん

地球儀専門店(http://www.globe-shop.net/
東京都中央区日本橋人形町1-5-1

革命的な進化を遂げた「バーチャル地球儀」

 しかし、この10年ほどで革命的に進化したのは、インターネット上で提供されている「バーチャル地球儀」だろう。グーグル・アースやアメリカ航空宇宙局(NASA)のワールド・ウインドなど、無償でダウンロードできるアプリやソフトが何種類もある。マウス操作だけで地球儀をクルクル回すことはもちろん、行ってみたい世界遺産や憧れのリゾート地に簡単にズームインできる。3D画像で建物や地形を表示させることも可能だ。
 
 また、シドニー大学の地球科学専門家グループが運営する「Gplates Portal」で入手できるバーチャル地球儀には、地質学の最新研究成果が盛り込まれている。中でも、人類誕生以前からの大陸移動を動画で再現できるアプリが人気だ。3Dグラフィクスによって精密に再現された海底地形アプリ「SRTM15 Topography」では、日本列島周辺のプレートの落ち込みや、海底火山の隆起などが手に取るように分かる。

「ジオ・コスモス」が地球を映し出すと...

 スマホの中のバーチャル地球儀では、やっぱり物足りない―。そんな人には東京・お台場の日本科学未来館に足を運んでいただきたい。6階の天井から吊り下げられた大型球体ディスプレイ「ジオ・コスモス」の直径は6メートルに達する。地球儀として使えば1000万画素を超える高解像度を発揮するから、1階から見上げても迫力がある。気象衛星からの情報を毎日取り込み、上空を流れていく雲の形状まで、極めて正確に地球の姿を映し出している。

 日本科学未来館の館長は、1992年と2000年の2度にわたりスペースシャトルに搭乗した毛利衛さん。毛利さんの「宇宙から見た輝く地球の姿を多くの人と共有したい」という思いを形にしたのが、このジオ・コスモスである。

 1階フロアに設置されたソファに寝転んで、ジオ・コスモスを見上げると...。海を表す鮮やかな「青」に圧倒され、この星の7割を海が占めるという事実を初めて実感する。また、雲は目まぐるしく形を変えて動いている。まるで宇宙を旅しながら、地球を見上げているような感覚に陥る。

201604_地球儀_6.jpgジオ・コスモス (提供)日本科学未来館



 実は、宇宙から地球を見た宇宙飛行士は、国単位ではなく、地球単位でモノゴトを考えるようになる人が多いそうだ。同館の広報普及担当マネージャーの冨田知宏さんは「ジオ・コスモスを眺めていると、宇宙から見た地球に国境線が無く、世界はつながっていると直感的に理解できます。だれもが宇宙に行けるわけではありませんが、ジオ・コスモスを通じて、地球全体を俯瞰する視点を持っていただきたい」と言う。


201604_地球儀_7.jpg日本科学未来館の冨田知宏さん

 

 大航海時代、冒険家たちは地球儀を回して想像力を膨らませながら、まだ見ぬ土地に思いを馳せたに違いない。一方、現代の私たちは人差し指の操作一つで、手のひらの中のスマホから、見知らぬ土地の情報に簡単にアクセスできる。しかし今、私たちが想像力を働かせるべきなのは、宇宙から眺めた時の地球の姿なのかもしれない。

 テレビでリオ五輪を見ながら、地球儀をクルクルと回してみよう。活躍する選手の国を探し出した後は、宇宙飛行士の目を持って地球を俯瞰してみよう。大気にも、水にも、生物にも国境は存在しない...

201604_地球儀_8.jpg

日本科学未来館

201604_地球儀_9.jpg

「海の植物プランクトン分布」
*栄養が豊富な海水が沸き上がる赤道付近には、植物プランクトンが多いことが分かる。
(提供)日本科学未来館

201604_地球儀_91.jpg

ワールドプロセッサー パワード バイ ジオ・コスモス  「エネルギー消費量とGDP」
*アーティストのインゴ・ギュンター氏による作品。現代社会が直面している問題を地球儀上に表現している。
(提供)日本科学未来館

201604_地球儀_911.jpgワールドプロセッサー パワード バイ ジオ・コスモス  「平均寿命」
*アーティストのインゴ・ギュンター氏による作品。現代社会が直面している問題を地球儀上に表現している。
(提供)日本科学未来館

日本科学未来館 (http://www.miraikan.jst.go.jp/
東京都江東区青海2-3-6
火曜休館(火曜が祝日の場合は開館)

(写真) HeadLine 編集部等 PENTAX-K50 等使用

※本記事・写真の無断複製・転載を禁じます。
※本サイトに掲載された論文・コラムなどの記事の内容や意見は執筆者個人の見解であり、当研究所または(株)リコーの見解を示すものではありません。
※ご意見やご提案は、お問い合わせフォームからお願いいたします。

※この記事は、2016年7月1日に発行されたHeadlineに掲載されたものを、個別に記事として掲載しています。

戻る