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銀行員から転身した異色のラガーマン

=リコーブラックラムズの守護神・中澤健宏=

2018年08月28日

社会・生活

企画室
西脇 祐介

 5月中旬の某日―。午前7時前にもかかわらず、東京・世田谷のある建物の一室に、屈強そうな男たちが無言で集まってきた。部屋の中にはたくさんのトレーニング器具が並んでいるが、ゴミ一つなく、管理が行き届いていることが一目で分かる。

 やがて男たちそれぞれに紙が配られると、突如「開始!」の合図と共に大音量のダンスミュージックが部屋を揺らし始めた。紙に書かれていたのは、器具の名前と数字。トレーニングの種類と回数を示すものだ。

 リコーラグビー部、ブラックラムズの選手たちの1日の始まりだ。早朝、寮に隣接するトレーニングルームで筋肉を覚醒させ、鋼(はがね)の肉体を作り上げていく。バーベルや巨大なボールを抱えての腹筋運動や人を背負っての腕立て伏せなど、各自決められたトレーニングをこなす。数分もしないうちに飛び散った汗で床が濡れ、「ウォー!」「キツー!」と叫び声も聞こえてきた。そこに表情を変えずに黙々とメニューをこなす一人の男がいた。中澤健宏(26)その人である。

20180828_01.JPGバーベルを持ち上げる中澤選手

 中澤は異色の経歴を持つラガーマンだ。立教大学時代、関東大学ラグビーオールスターゲームの選抜チームに選出されたほどの実績を持つ。だが卒業後はみずほ銀行に入行、ラグビーの第一線から離れる。「大学を卒業してすぐにプロになったら、引退した後で何ができるのかなって思うと...」とその当時を振り返る。

 ところが、2015年のラグビーワールドカップが転機となる。日本代表の活躍をテレビで目にし、日本で開催される次の2019年の大会にはフィールドに立っていたいという熱い思いが沸き上がったのだ。

 そこで、社会人ラグビーのトップリーグのチームに入るためトライアウトを受け、その中からリコーを選んだ。「リコーのトライアウトではいきなり練習試合が行われ、試合中のチームメンバーは私をよそ者ではなく、仲間として迎え入れてくれました」と理由を語る。こうして2016年、銀行員時代の経験も評価されて正社員として中途入社。リコーブラックラムズに加入したのだ。

 午前8時過ぎにトレーニングを終えた中澤はシャワーを浴びた後、ミーティングに臨んだ。トレーナーから電子黒板で新しい練習メニューの説明を受け、ドローンで撮影された過去の練習動画を見て作戦を確認。その後、すぐに併設のグラウンドで練習を始めた。中澤は率先して大声を出し、ジェスチャーを交えフォーメーションの連携確認に余念がない。

 体をぶつけ合うレスリングトレーニングでも、コーチから檄が飛ぶ中、中澤は最後まで倒れることなく足腰の強さを見せつけた。チーム最後尾のポジションFB(フルバック)として守護神の役割を任されているだけに頼もしい。

20180828_02.JPGレスリングトレーニング中の中澤選手(左)

 午前11時過ぎまでみっちり続いた練習の後は、針治療などで体のケア。それから昼食を手早く済ませると、急いで東京・田町に向かった。

 中澤にはもう一つの顔がある。午後からは営業マンに変身するのだ。取引先に製品やITサービスを提供し、飛び込み営業もこなす。この日は、営業活動計画について話し合う社内ミーティングに参加した。「仕事との両立は大変だけど、だからこそラグビーをやるときは集中して取り組もうという意識になります」とまなざしは熱い。もっとも職場では、「一生懸命な天然ちゃん」と呼ばれている。先日は社内のクールビズ開始日を間違えて独り半袖ワイシャツのみで出社し、周囲から笑われたそうだ。

20180828_03.JPG社内会議後の個別ミーティング

 その後、お客様である不動産会社へ1人で訪問し、リコーの製品を紹介した。「真面目で打ち合わせの内容は必ずメールで共有してくれます。とてもやりやすい」とお客様からも好評だ。実際、移動中も常にスマートフォンでメールやスケジュールを確認することが習慣化している。また、ラグビーの練習でけがをしたときなどに備え、先輩社員にいつでも引き継げるように小まめに情報を共有している。

20180828_04.JPGお客様との打ち合わせ

 「お客様にトライアルで提供しているサービスの本格導入が決まり、今週契約書をもらえる予定です」と話す中澤の表情は、やりがいに満ちているように見えた。その一方で、帰り際に傘を忘れそうになり、お客様に指摘されているところは「天然ちゃん」の愛される一面なのかもしれない。

 この日の業務は午後5時半過ぎに終了。その後はすぐに寮に戻り、1時間ほどのストレッチと練習動画で個人反省を行った。夕食は寮で用意された栄養バランスのよいものを食べるほか、1日4回のプロテインを忘れずに摂取して、体重の増加を目指している。時間があれば趣味の読書をしに、カフェに向かうこともあるが、必ず午後11時前には寝るようにしているという。

 密着取材の最後に、今シーズンのラグビートップリーグとワールドカップに向けての意気込みを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。「昨シーズンは途中から試合に出られるようになったばかりで選手としては発展途上。チームは昨シーズン7位の成績で私も7位のチームの選手でしかありません。今シーズンの目標は優勝であり、私も優勝を目指して1試合でも多く出場して活躍すること。ナンバーワンのチームの選手であればワールドカップへの道が見えてくると思います」―。(敬称略)

トップリーグ日程(リーグ戦)

(写真)筆者 PENTAX  K-50

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※この記事は、2018年6月29日発行のHeadLineに掲載されました。

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