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在宅勤務(テレワーク)とAI判定

第21回 冬夏青々

2021年07月02日

新型ウイルス

常任参与
稲葉 延雄

 世界的な新型コロナウイルス感染の抑止対策として、在宅勤務(テレワーク)の活用が主要国で推奨された。従業員にもメリットが感じられたため、活用する企業は増え、政策的にも相応の効果が認められた。当初の懸念とは逆に、従業員は決して「サボる」ことなく、きちんと労働に時間を配分している事実も報告されている。感染が収束した後も、テレワークは重要な勤務形態の1つとして存続・活用されていくのであろう。

 とはいえ経営者側としては、従業員が働く「現場」を直接観察できないことに不安を隠せない。このため多くの企業では、テレワーク中の従業員の行動をモニターするソフトウエアが導入されている。現状、エクセルなどを使って時間ごとの作業内容を日々報告させ、作業効率の評価や管理者の指示の適切性、労働過多の有無などを確認するのが一般的である。

 しかし、中には人工知能(AI)を使い、得られたビッグデータから従業員の適性発見や昇進などの判断を試みるソフトの開発も既に進められている。そのような折、欧州連合(EU)はAIに関する規制草案(draft rules)を発表した。

 それによると、人々の行動をモニターしつつ、その結果を採用や昇進、異動などの判断に供しようとするAIシステムは、高リスク(high risk)のシステムとして位置付けられる。事前にそれらがどのように作動するかを関係者に熟知させる必要があるほか、所定の法規制を順守する義務があるとしている。もっとも、AI判定がすべて信用できないわけではない。経営者の判断にもバイアスがあり得るので、AIがより良い働き方を提示することも期待できる。

 だが従業員側には、それがどのように使われ、自らの業績評価にどう繋がったのかを詳しく知る権利がある。例えば、AIが「ノー」と言ったからといって、人事上の処遇の説明を十分行ったことにはならない。万一、そのシステムの判断結果を不適切に押し通すような経営者がいれば、さまざまな労働紛争や権利保全訴訟などに巻き込まれることになろう。

 デジタルサービス企業を標榜するリコーグループとしても、まずは自らの従業員がテレワークで働いている様子を的確にモニターした上で、働くを喜びに変えられるよう不断の工夫が必要である。また、こうした経験をデジタルサービスのビジネスに活かしていけば、テレワークを推進している多くの内外企業の業績発展に貢献することにもなる。

図表

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※この記事は、2021年6月30日発行のHeadLineに掲載されました。

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