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気負わずに新型コロナと生きる覚悟

冬夏青々 第18回

2020年10月02日

新型ウイルス

常任参与
稲葉 延雄

 各国は都市封鎖(ロックダウン)や緊急事態宣言などを講じ、新型コロナウイルスの感染爆発を抑止した。だが今度は、感染抑止の継続と経済活動再開の両立に向け、苦しい舵取りを強いられる。

 というのも、経済活動の再開に踏み切ると、程なく感染者の増加も加速する。こうした関係が明らかになったからだ。戦いが終わるかと期待していたら、実は戦いの始まりが終わっただけ。気負い過ぎる必要はないが、わたしたちは当分の間、コロナと生きることを改めて覚悟せねばならない。

 米国では、経済活動再開を急いだ西・南部諸州で感染が高水準に。感染爆発を克服した欧州や、辛うじてそれを回避した日本でも、感染者数は再び増勢に転じた。中国から始まった感染の津波は、東アジアや米欧を呑み込んだ後、ブラジルやインド、南アフリカなど新興国に襲い掛かっている。

 だからといって、感染抑止のために都市封鎖のような大がかりな策を再びとろうとする政府は少ない。経済活動再開と両立し得る、地域を絞ったシャットダウンなどが抑止策の主流になる。都市封鎖は経済に与える打撃が甚大なため、経営難に陥る企業が増え、低所得者層に一層深刻な犠牲を強いる結果となったからだ。

 そもそも感染抑止の基本は、「検査・追跡・隔離」によってウイルス感染者を囲い込むことだ。そして上述したピンポイント施策との組み合わせにより、重症者や死者の数を最小限に食い止め、有効なワクチンや治療薬の出現を待つというのが各国共通の戦略である。

 こうした中、一般市民に対しては、①マスクの着用や手洗いの励行、咳(せき)エチケットの徹底②ソーシャル・ディスタンス(社会的距離の確保)の遵守③大勢の人々が狭い空間に密集する通勤電車や、働く現場・集会・イベント会場などでの注意深い行動―などが求められる。これは自分だけでなく、大切な周囲の人々をも感染から守ることになり、ひいては社会全体の感染リスク引き下げをもたらす。

 わたしたちリコーグループの従業員も、一市民としてそれぞれの国の実情に応じ、コロナと生きるための社会貢献を続けよう。同時に、テレワークシステムの提供に象徴されるように、働く現場その他での感染リスク削減に向け、当グループの持つデジタルデバイス・デジタルサービスの技術を活用できないか。それを探り続ける努力も怠らないようにしたい。

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稲葉 延雄

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※この記事は、2020年9月30日発行のHeadLineに掲載されました。

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