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世界環境デー(6月5日)に思うこと

=個人・企業は何をすべきか=

2017年06月05日

地球環境

主席研究員
則武 祐二

 6月5日は「世界環境デー」、世界中で様々な環境への取り組みが実施されている。

 「世界環境デー」は、1972年6月5日から16日までストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、日本とセネガルの協同提案によって国連総会で制定された。日本では、1993年に環境基本法により、「事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高める」という目的で、6月5日を「環境の日」と定めている。

 リコーグループでも、全世界のグループ社員の意識啓発を目的として2006年から6月を「エコアクション月間」として、世界中の社員が地球環境について考え行動を促すように様々なイベントを実施している。多くの人が何らかの環境保全活動を行い、環境問題を再認識するのは非常に有意義なことではある。だが、現在の地球環境の状況を考えた時に、「これで良いのか」という焦燥感もある。

 1972年の「国連人間環境会議」は、環境問題についての世界で初めて大規模に行なわれた政府間会合であり、キャッチフレーズは「かけがいのない地球」だった。しかし、それ以降も世界の平均気温は上昇の一途をたどっている。

20170602_01.jpg(出展:気象庁webサイトhttp://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html

 今年5月末にベルリンに出張した際、最高気温は28℃だった。5月でこの暑さだと、夏には一体どうなるのかと心配になるが、ホテルの部屋には冷房設備はない。それだけが理由ではないが、欧州では温暖化問題を真剣に捉えているように感じる。ベルリンの中心部にはレンタル自転車が並び、日本で言えば銀座か表参道かというようなブランドショップが並ぶクアフュルステンダム通りには、電気自動車「テスラ」のショールームがある。

ベルリン市内のレンタル自転車

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「テスラ」のショールーム

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 2016年に発効した「パリ協定」では、人為的な温室効果ガスの排出をゼロにすることも目指している。米国トランプ大統領は同協定からの離脱を表明したが、今、世界の人が再認識しなければならないのは「かけがいのない地球」の現状であり、これから何をすべきか、もっと真剣に考える必要があるのではないだろうか。

 もちろん、個人の身の回りの行動を見直すことも、重要で意義深いことだ。しかし、企業に所属する人にとっては、「世界環境デー」は自分の企業が何をしなければならないかを考えてみる良い機会ではないだろうか。

(写真)筆者

則武 祐二

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