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高まる中国の危機管理意識、サイバーや防災を討議

=北京取材レポート(2)日中危機管理学術交流=

2018年09月19日

中国・アジア

主任研究員
武重 直人

 今年8月31日、北京市朝陽区の北京公共安全体験館および隣接施設において、日中危機管理学術交流会(第13回)が開催された。日本危機管理学会と中国の危機管理研究者による学術交流活動の一環である。筆者は同学会の理事として参加した。

 研究報告の前に、参加者は北京公共安全体験館を視察した。通常の地震体験だけではなく、飛行機や地下鉄、水没した自動車などあらゆる場面を想定した防災訓練のほか、ビルの窓からのロープによる降下訓練、VR技術を駆使した被災マンションからの仮想脱出訓練などの諸設備を整えている。その充実ぶりは、近年の中国の危機管理意識の高さを示しているように感じた。

北京公共安全体験館

20180914_01.jpg(写真)原田泉氏

 日中両国から約20人の研究者が研究報告に参加した。主催者としてホストを務めた中国応急管理学会理事の顧林生氏による開会の辞と、日本危機管理学会会長・国際社会経済研究所上席研究員の原田泉氏による交流史の振り返りに続き、合計7本の研究報告と討論が行われた。

 原田会長による「『サイバー強国』中国と如何に向き合うか」は、各国サイバー能力の最新事情を比較・整理した上で、最大のカギとなる人工知能(AI)の開発において、米中の二強化が急速に進む実態を指摘。日本のサイバー能力の底上げと、日中間の信頼醸成を深めていくことの重要性を訴えた。

 日本側からのもう一つの報告「インフラの老朽化と危機管理」では、筆者が日米欧における各種インフラの老朽化が進行する実態や、人口減少がもたらす水道事業運営の採算リスクとその対応策をとり上げた。中国も近年膨大なインフラ建設を進めてきたが、今後10年余りで総人口が減少期に入ることから、日欧米の経験に強い関心が示された。

 中国側からは防災に絞った報告が続いた。中国における防災科学の発展史(河南理工大学の銭洪偉氏)、日中防災危機管理体系改革の比較研究(四川省行政学院の顧林生氏)、防災管理における政府の機能及び協力モデル(中国科学院の呉波鴻氏ら)、複数の事態を想定するシナリオバランスを基にした地震対応への備え(中国地震局の王建飛氏)、「中国における応急対策計画の体系及び応急管理部の発足」(神戸大学大学院博士課程の寥解放氏)と、いずれも専門性の高い報告となった。

 日中両国の防災管理に詳しい顧氏は日本の事例を引きながら、「中国でも実際の災害の経験を活かし、より現実的な防災体制の構築や制度化を迅速に進めていくことを重視しなければならない」と指摘した。

 長年にわたり、危機管理学の日中交流を推進してきた原田会長は、中国の危機管理研究の体系化が大きく前進していることを高く評価。同時に、「新たな危機管理対象が次々に現れていることから、日中間の交流をさらに多様化し、深めていく必要がある」と強調した。

研究報告

20180914_02.jpg(写真)原田泉氏と筆者

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