技術者が語る 3Dプリンターのいろは

「シェル」について理解しよう。(其の弐)

本記事の内容が当てはまる造形方式

  • 全て
同じ形状でも複数のシェルで構成することが出来る

前回の『「シェル」について理解しよう。(其の壱)』に引き続き、今回も「シェル」に関する豆知識についてお話ししたいと思います。
図1をご覧下さい。100mm×20mm×10mmの直方体に見えますよね?ですが、図2で色別けして表示している通り、実は、20mm×20mm×10mmの形状が5つ連なって構成された形状なのです。つまり、5つの「シェル」で構成された1つの3次元形状だったのです。
全く同じ形状でも、「シェル」は一つとは限らず、複数の「シェル」の集合体で同じ形状を構成することも出来るのです。

  • 図1

    図1

  • 図2

    図2

「シェル」同士が接触している場合の3Dプリント結果は?

100mm×20mm×10mmの立方体が1つの「シェル」で構成されている場合と、図2のように5つの「シェル」で構成されている場合について、3Dプリントの結果はどのように変わるのでしょうか?これは、使用する3Dプリンターによって異なるため一概には言えません。3Dプリンター側が、接触又は重さなった形状を1つの「シェル」と見なすか、接触している別々な「シェル」と見なすかによって概ね決まると思われます。
一例として、図2のような形状をStratasys社のFORTUS250という装置で造形した結果を、付属ソフトの"Insight"での結果を元に見ていきましょう。
序盤は、「シェル」の境目を無視したかたちで積層しています。ところが、最後の1層になると、図4のように「シェル」の境目を明確に区別した積層が行われます。
これらの結果から、この場合は、5つの「シェル」は認識されており最上面の層の外観に露出はするが、そこ以外は5つのシェルは一体と見なして積層が行われるようです。なお、同じFORTUS250でも、条件によって若干異なることも考えられますので、その点はご注意ください。
ちなみに、5つのシェルどうしの間隔をわずかに0.001mmほど空けて試したところ、最初の積層から最後まで、図4のようにシェルの境目が明瞭に区別した積層が行われました。

  • 図3

    図3

  • 図4

    図4

3Dプリンターがどのように判断するか見極めるべし

このように、3Dプリンターで造形しようとしているCADデータが、どのような「シェル」で構成されているか?(又は、構成するか?)ということや、そのデータを、お使いの3Dプリンターがどのように見なしてどのように積層するのか、ということは造形品質と密接に関わるポイントなのです。
次回以降も、「シェル」に関する豆知識を、更に詳しく解説したいと思っています。それでは、乞うご期待。

(寺原大介)

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