技術者が語る 3Dプリンターのいろは

磨けば光って透明に

本記事の内容が当てはまる造形方式

  • MJ
3Dプリンタのクリア材料は透明?

3Dプリンタで透明に近い部品を得る方法として、マテリアルジェッティング装置による「クリア材」と呼ばれる光硬化性アクリル樹脂での造形があげられます。インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めて積層します。材料自体は無色透明ですが、得られる造形品は、透き通った感じは少なく、すりガラス状の半透明となります。具体的には、マテリアルジェッティングで光硬化性アクリル樹脂を造形する場合、サポート材が付く面は、サポート材を取リ除いた後、マット調のざらざらした面になります。また、サポート材の付かない面も、マット調のサポート面よりは滑らかですが、積層段差や表面のうねりがあるため、透明感が少なくなります。

図1

  • 3Dプリンタのクリア材料は透明?
  • 3Dプリンタのクリア材料は透明?
半透明を透明にするポイント

そこで表面を研磨するわけですが、耐水ペーパーという、耐水性のあるサンドペーパーを使い、水をつけながら研磨するのがポイントです。どうして水を使うか? それは細かい削り屑が水で流されるために、サンドペーパーが目詰まりしにくくなり、結果的に早く削れ長持ちするためです。図1は半球状のルーペを造形したものですが、凸表面にはサポート材の付着は無いものの、やはり積層段差により透明感が失われています。研磨は、耐水ペーパーの番手を#320から始めて、#400、600、800、1000と徐々に目を細かくして行い、最後は#1500のペーパーで仕上げています。少し根気の要る作業になりますが、ルーペとして十分機能するレベルまで透明になりました。積層段差や表面のうねりに応じて、適した番手のペーパーを選ぶことも、ポイントのひとつです。

(鈴木 滋之)